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2018.11.1

詩的に過ごすもよしグルメを楽しむもよし 柳川駅長に聞く「柳川のきほん」

ヒト

来春より運行開始予定の地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」。列車が走る天神大牟田線の沿線は、まちの歴史を感じたり、伝統的なものづくりに触れたり、酒蔵をめぐったり、地域ごとにさまざまな遊び方ができることが魅力です。

今回ご紹介するのは、西鉄沿線地域の代表的な観光地ともいえる「柳川」。
まちじゅうに掘割(ほりわり)と呼ばれる水路が張り巡らされ、川下りのできる「水都」として有名な柳川は、歴史ある建物やゆっくりと進む舟から見える美しい景色が、来る人を穏やかな気持ちにさせてくれます。

そんな柳川のきほんを、西鉄柳川駅で駅長を務める樺島省一がご案内します。また、柳川の新たな楽しみ方を提案してくれる素敵な穴場もご紹介します。

[案内する人]
樺島省一駅長
出身は柳川市のお隣みやま市。5年間西鉄福岡(天神)駅で副駅長を務め、2017年7月から柳川駅の駅長に。柳川の魚料理が好き。

市民の生活を支える掘割は全長930キロメートル!
まずは川下りで城下町の風情を感じて

福岡県の南部に位置する柳川市は、天神からは電車で約50分、久留米市や大牟田市からは約15分と、福岡県民にとっては週末のお出かけにぴったりの場所です。「柳川といえば川下り」という人も多くいますが、樺島駅長もその思いは同じ。一番の魅力は「なんといっても掘割(ほりわり)」だと言います。

「掘割」とは、柳川市全域になんと930キロにもわたって張り巡らされている水路のこと。船頭さんの伸びやかな歌声を聞きながら、掘割を舟でゆっくりとすすむ川下りは、柳川ならではの情緒が感じられる体験です。
「2月には“水落とし”といって、掘割の水を抜いて掃除をする期間があるんですが、その時だけの特別な川下りコースもあるんですよ」。冬には舟にこたつがつけられていたり、秋は陽が落ちてから灯り舟の上からお月見ができたりと、四季折々、時期によっても様々な風景を楽しめます。柳川の暮らしは今でも掘割とともにあるんですね。

実は、川下りの水路として活用されている掘割は、もともとは有明海の低湿地の水はけを良くし、水を確保するために掘られたもの。柳川の生活を支える優れた水利システムなのです。

掘割について詳しく知りたい方はこちら

掘割をゆっくりと進む川下り

うなぎはやっぱり外せない!
文化もグルメも奥深い柳川のきほん

「柳川は旧立花藩の城下町として栄えていて、詩人北原白秋の故郷としても有名なまちなんですよ」たくさんの見どころの中でも駅長が特におすすめする観光スポットは、柳川藩主立花家のお屋敷『御花』。「敷地の中には立花家史料館や西洋館などがあるんですが、私は庭園『松濤園』の夕方の景色がすごく綺麗でお気に入りです」
「松濤園」は、明治43年に整えられたクロマツに囲まれた観賞式の池庭で、座敷からの眺望は格別です。現在は、御花の約七千坪の敷地全体が「立花氏庭園」として国の名勝に指定されています。

→白秋の故郷柳川で行われる『白秋祭』についてはこちら(後日公開予定)

「ご飯を食べるなら、定番はやっぱりうなぎのせいろ蒸しですね」。20店舗以上もある市内のうなぎ屋はもちろん、予約をすれば、川下りをしながら船の上でいただくこともできます。「柳川メシの定番」となった起源は不明だそうですが、中には1600年代に創業したうなぎ屋もあり、古くから柳川で親しまれてきた郷土料理です。

また、有明海の魚介類がずらりと並んだ、鮮魚店をのぞいてみるのも一つの楽しみ方。
「クチゾコ、マジャク、ムツゴロウ、ワラスボなど珍しい魚がたくさんあります。鮮魚店は見るだけでも面白いので、ぜひ立ち寄ってみてほしいですね」

柳川藩主立花邸「御花」の入り口。迎賓館「西洋館」が門の正面に構えています

館内に飾られた、お雛様と一緒に初節句を祝う「さげもん」は、柳川の春の風物詩です

御花の庭園「松濤園」。写真は昼間の様子ですが、駅長お気に入りの夕方の景色も必見!

御花のレストラン「対月館」でいただける「うなぎのせいろむし」

旅人とまちが混ざり合う場所へ
水郷柳川の新たな楽しみ方

歴史が古く情緒あふれるところが魅力的な柳川ですが、まちには新たな動きも生まれています。
船頭さんの歌声が聞こえる掘割沿いのとある古民家は、柳川出身の島田さんの手によって、旅人と地域の人とが混ざり合う、あたたかなゲストハウスへと生まれ変わりました。宿泊だけでなく、まちのリビング、旅人とまちをつなぐ場として、イベントやワークショップなども行われています。

また、たっぷりと柳川を遊んだ帰りには、駅から歩いて10分ほどの場所にある「ムトー商店」さんで、柳川らしいお土産を買って帰りましょう。店内には、店主の武藤さんが淹れる美味しいコーヒーの香りが漂います。地元人気店のお菓子やオリジナル雑貨など、所狭しと並べられたお土産の中から、お気に入りを探してみてくださいね。

素敵な笑顔の島田さんが迎えてくださる「ゲストハウスほりわり」

外観も素敵な「ムトー商店」さん。白く四角い建物が目印です

柳川人気のパン屋「IMUSTAN」のお菓子や、駅長おすすめの夜明茶屋の商品もあります

最後に、駅長として、地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に期待することとは。
「普段、通勤や通学で西鉄電車をご利用いただいている方でも、観光列車で食事をしながらゆっくり時間を過ごしていただくことで、いつもの風景が少し特別に感じられるのではないかと思います。また乗りたいと思っていただけるような、そして沿線地域にお住まいの方には列車に手を振っていただけるような、見る人も乗る人も元気になる観光列車になればいいなと思っています」「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗って、ぜひ、柳川にお越しください。

通勤中は英会話のCDを聞いているという樺島駅長。外国からいらっしゃるお客さまへのおもてなしの準備も万端です

[INFORMATION]
■柳川藩主立花邸御花
住所:柳川市新外町1(MAP
電話番号:0944-73-2189
営業時間:9:00~18:00

■ゲストハウスほりわり
住所:柳川市沖端町7(MAP
電話番号: 0944-85-8987
営業時間:カフェ12:00~19:00(LO) チェックイン16:00 ~22:00
定休日:不定
HP:https://hori-wari.com/

■ムトー商店
住所:福岡県柳川市新町37(MAP
電話番号:080-4280-6107
営業時間:10:00~19:00
定休日:不定
HP:http://ameblo.jp/mutou-shouten/

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